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2012年7月19日 (木)

移動等の円滑化の促進

週末の新聞に,高度成長期以来,交通安全の「切り札」として設置された歩道橋が撤去されるケースが相次いているという記事が掲載されていました。

 

歩道橋は,障碍者らが利用しにくいうえ,少子高齢化で利用も減ってきたなどが撤去の理由だと報じられていましたが,さらに,バリアフリー化が難しい事情が大きいとも記されていました。

 

ところで,バリアフリー化については,

 

「高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」

 

といういかめしい名前の法律があります。

法律名の中に「等」が2か所も入っているなんて,命名のセンスを疑いますが,この法律,平成18年に成立したもので,そのときに,「高齢者,身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」と「高齢者,身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」という2本の法律を廃止して,新たに作られたものです。

 

この法律では,道路管理者についての義務が定められていますが,そこでは,道路管理者は,特定道路の新設又は改築を行いうときは,道路移動等円滑化基準に適合させなければならない旨規定されています。

この「円滑化基準」は国土交通省から出されていますが(「移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める省令」),その1112項では,

 

「道路には,高齢者,障害者等の移動等の円滑化のために必要であると認められる箇所に,高齢者,障害者等の円滑な移動に適した構造を有する立体横断施設(以下「移動等円滑化された立体横断施設」という。)を設けるものとする。

 「移動等円滑化された立体横断施設には,エレベーターを設けるものとする。」

 

と規定されています。

 

 そこで,話は,冒頭の,歩道橋の撤去に戻ります。歩道橋の撤去の理由は,バリアフリー化が難しい事情が大きいと報じられていると書きました。つまり,高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律によると,歩道橋を新設・改築する場合,エレベーターの設置が義務付けられることになりますが,建築・維持費用を考えると,歩道橋を撤去してしまうほうが手っ取り早いという自治体の判断につながり,これが最近の歩道橋撤去の一となっているということのようなのです。

 

 ところで,この法律,鉄道などの公共交通事業者の義務についても規定しています。この法律に基づき,「移動等の円滑化の促進に関する基本方針」(直近のものは,昨年の331日付)というものが定められているのですが,その中では,次のような方針が定められています。

 

「一日当たりの平均的な利用者数が三千人以上である鉄道駅については,平成三十二年度までに,原則としてすべてについて,エレベーター又はスロープを設置することを始めとした段差の解消,ホームドア,可動式ホーム柵,点状ブロックその他の視覚障害者の転落を防止するための設備,視覚障害者誘導用ブロックの整備,便所がある場合には障害者対応型便所の設置等移動等円滑化を実施する。」

 

ここ数年で,鉄道駅にエレベーターが急速に設置されたり,ホーム柵の設置が進んでいることを実感している方は多いのではないかと思いますが,根拠はこの高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律にあったわけですね。私なんか,法律の力ってすごいなぁと感じておりました。

 

ところで,この法律,日常生活・社会生活に身体の機能上の制限を受ける高齢者,障者の移動の円滑化を目的としているわけですが,朝の通勤ラッシュ時など,新しくできたエレベーターの前に,高齢者でも障者でもない通勤客がずらっと並んでいる光景をよく見かけます。まぁ,誰が利用してもいいのでしょうけど。

 

hy

 

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