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2012年7月13日 (金)

保護司が足りない

昨日の新聞で,新任保護司の数が足りないとの報道がなされていました。

昨年度,保護司に任命された人は約2,400名で,退任者を大きく下回るとのこと。都内では,定員の6割を切る地区もあると報じられています。

 

犯罪をした者・非行のある少年が社会の一員として自立し,改善更生することを助ける機関として,保護観察所があります。この保護観察所には,法務省の職員として「保護観察官」が置かれますが,「保護司」は,

 

「保護観察官で十分でないところを補い,…保護観察所の長の指揮監督を受けて,…保護観察所の所掌事務に従事する。」(更生保護法32条)

 

こととされています。

 

 この「保護司」については,保護司法という法律があり,そこでは,保護司は,

 

「社会奉仕の精神をもつて,犯罪をした者及び非行のある少年の改善更生を助けるとともに,犯罪の予防のため世論の啓発に努め,もつて地域社会の浄化をはかり,個人及び公共の福祉に寄与することを,その使命とする。」

 

とされています。実に重い職責ですよね。具体的には,例えば,仮釈放中の者や,保護観察付執行猶予中の者について,雇用先を確保すべく,事業主にお願いして雇ってもらうよう働きかけたりするといった,地道な仕事をなさっています。

 

 ところで,保護司は,職務を遂行するにあたって負担した費用の支給を受けることができますが,報酬は一切出ません。保護司法111項は,

 

 「保護司には,給与を支給しない。」

 

と明記しています。まさに,「社会奉仕の精神」をもってボランティアで職務を行っているわけです。本当に頭が下がります。

 

 この保護司,昨年度に任命された人は,10年前の3分の2の水準まで落ち込んでおり,特に都市部での担い手不足は深刻だと記事では述べています。

 

 そして,この数字の低下について,保護観察対象者と保護司の自宅で面接をすることに抵抗感を抱く人が増えていることを,記事では理由の一つとして挙げています。

 

 従来は,保護司の自宅で,保護観察対象者と面談することが一般的でした。しかし,いくら保護司が「社会奉仕の精神をもつて」職務に当たっているとはいえ,この記事でもある保護司の言葉を引用していますが,保護観察対象者が,

 

 「面接中に自暴自棄になったりしないか,万が一のことを考えると心配で仕方がない。」

 

という不安は常にあるでしょう。そして,記事では,一昨年に,保護司を逆恨みした保護観察対象者が保護司の自宅に放火する事件が起きたことも紹介しています。

 

 というわけで,法務省は自治体と協力して,保護司の自宅に代わる面接場所の確保を進めているようですが,現実には十分は場所の確保ができていないようです。

 

 いわゆる裁判員法が施行されて3年が経過しました。刑の厳罰化が進んだとも評されていますが,一方で,執行猶予付判決のうち半分以上に保護観察が付されている(従来は3割程度)とも報じられています。被告人の社会的更生のために保護観察制度に期待している,一般国民である裁判員の考え方の一端が表れているようにも思われます。

 

 そして,保護観察において,実際に保護観察対象者に直接接する保護司が重要な役割を担っていることは明らかでしょう。保護観察制度に対する裁判員の期待を裏切らないためにも,保護司の処遇,定員の確保,面接場所の提供など,早急な改善が望まれます。

                                                   

                               (hy

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