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2012年9月 1日 (土)

自転車と道路交通法

「自転車レーン」について,国土交通省が法的位置づけを明確化する方向で検討を始めるというニュースが,昨日掲載されていました。

 

「自転車レーン」というのは,車道に設けられ,自転車がその部分を通行するものとして色分けなどがされた自転車専用通行帯のことです。

 

私の家の周りでは,そのような通行帯は見た記憶がないのですが,そのニュースによると,全国でも述べ延長は200㎞程度にとどまるとのこと。整備が進んでいないというわけですね。

 

自転車は,道路交通法上は「軽車両」に分類され,自動車,原動機付自転車と並んで「車両」と定義されています。

 

そして,道交法17条1項は,

 

「車両は,歩道又は路側帯(…)と車道の区別のある道路においては,車道を通行しなければならない。

 

と規定し,また,同法17条の2第1項は,

 

「軽車両は,…著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き,路側帯(…)を通行することができる。」

 

と定めています。従って,原則として,自転車は車道を通行しなければならず,一定の場合に,路側帯を通行できるというのが道交法の定めるルールということになります。路側帯というのは,歩道が設けられていない道路の端に,白線で帯状に区分けされた部分のことです。

 

つまり,原則として,自転車は,歩道通行は不可ということです。

 

しかし,私も含めて,多くの人は,自転車で歩道を通行していると思います。あれは,なぜ許されるのかというと,道交法に例外規定が設けられていて,

 

「普通自転車は,次に掲げるときは,第十七条第一項の規定にかかわらず,歩道を通行することができる。」

 

と規定されているためです。「次に掲げるとき」の代表例としては,

 

 「道路標識等により普通自転車が当該歩道を通行することができることとされているとき。」

 

があります。道路標識に「自転車通行可⇔」と書かれている場合ですね。

 

 あと,13歳未満の人と70歳以上の人は,道路標識で「自転車通行可」と書かれていない歩道でも,自転車で通行することができます。

 

 このように例外的に自転車が歩道を通行できる場合があることを知っている人は多いと思います。しかし,その場合の通行方法にルールがあることを知っている人は少ないように思います。

 

 道交法は,自転車が歩道を通行できる場合の通行方法として,次のように定めています。

 

 「…普通自転車は,当該歩道の中央から車道寄りの部分(…)を徐行しなければならず,…」

 

 歩道には一定の幅がありますが,そのどの部分でも自転車が通行できるわけではなく,車道寄りを通行しなければならないということです。歩行者を縫うように通行するのはダメと。しかも速度も「徐行」,つまり直ちに停止できる速度で通行しなければならないということです。

 

 上記のルールは,認知度が低いように思われますし,また,実際に守られていないように思います。というわけで,歩道を通行する自転車と歩行者とのトラブルがたえず,結果として,冒頭のニュースのように,自転車レーンの整備を進めようという流れになっているのだと思います。

 

 私が留学したカリフォルニアのデービスという田舎町では,街中,自転車レーンがほぼ完璧にもうけられていました。しかし,広大な土地があるからこそあそこまで整備できるのであって,日本の,とりわけ都市部で自転車レーンの普及が進むのかについては,難しい点もあるようにも思います。

 

 ところで,道交法の自転車の定義として,

 

 「(人の力を補うため原動機を用いるものであつて,内閣府令で定める基準に該当するものを含む。)」

 

というのがあります。いわゆる電動アシスト自転車のことです。あっという間に普及したこの電動アシスト自転車ですが,個人的には,自転車の定義から除外してほしいと思っています。だって,あれ,ものすごい加速力ですよ。人の力に対する電動機の補助の力が1対2まで認められています。一般的に自転車の定義に含めなくても,電動アシスト自転車を必要不可欠とする人のためには別途規定で手当てすれば足りると思うのですが。

 

あと,ロードレーサーも歩道通行を禁止してほしい。ここまでいうと,暴論でしょうか。

 

 

hy

 

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